問いかける戦犯・増田榮一——トイレットペーパーに書かれたサイゴン裁判・手記と資料
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『問いかける戦犯・増田榮一——トイレットペーパーに書かれたサイゴン裁判・手記と資料』
井上健 編著
発行:梨の木舎
A5型 343頁
定価 3,700円+税
ISBN 978-4-8166-2605-0 C0021
第2次世界大戦後、フランスが日本を裁いた「サイゴン裁判」とは何だったのか?
―――プロコンドールに来てから十一カ月目の月を迎えた。自由に解放された生活に移ってから六ヶ月目である。内地に想いを馳せれば、秋風も立ち加芳。また暑中休暇も終わって、第二学期に入った学校も始まる。子供たちの通学勉強する姿が目の前に浮び出でくる。自由の生活に入ってから今日の仕事が一番に「いや」な思いをした。雨は降る。煙草は充分になく、蓮根の茎で脚を痛める。遂に遅れ一人で帰った。慟哭。―――(一部抜粋)
ベトナムのサイゴン(現ホーチミン市)で旧日本軍の戦争犯罪を裁く戦犯裁判がフランスによって開かれた。
旧陸軍将校の増田榮一は終身刑を宣告され服役する。70年を過ぎてひとりの研究者の目にとまった彼の手記は、フランスによる戦犯裁判の不当さを訴えていた。
自国の植民地復活を企図し、強引に裁判を進めたフランスは、日本人戦犯たちをどのように扱ったか。戦犯たちの思いを受けとめる執念の書。過去の戦争が問う私たちの今。
内海愛子(恵泉女学園大学名誉教授)推薦!
【目次】
Ⅰ部:増田榮一・サイゴン裁判資料と手記
戦犯として収監されたプロコンドール島で綴った手記と回想記など
Ⅱ部:裁判資料と増田手記の解説と考察
増田はなぜ裁かれたのか
フランスのサイゴンBC級戦犯裁判の特殊性
収監地プロコンドール島での生活
増田の生涯から戦争責任について考える
【プロフィール】
1956(昭和31)年、東京都府中市生まれ。立教大学文学部史学科卒。
東京都公立小学校教諭として勤務するかたわら八王子を中心に多摩地区の戦争に関す
る調査、記録に携わる。研究団体「八王子・昭和史の会」副代表。増田の手記に出会い、
BC級戦犯裁判研究に本格的に取り組む。
共著に『ガイドブック八王子の戦跡』(揺藍社2020年)がある。