わたしの祖母、羽田たねじは明治の生まれです。
第2次世界大戦で、2番目の男の子郁ちゃんを失いました。
私が生まれた家の座敷の壁には、
兵隊帽を被った若い郁おじさんの写真がかけられていました。
ニューブリテン島で戦病死ということでした。
祖母は一度だけ私に話してくれました。
「庭先でな、じゃあ、かあやんいってくるよ、ってな。おお、行ってこうよ」
それが最後の会話だったと。
息子を失った祖母の悲しみ、それが私にとっての戦争というものでした。
1982年日本の「教科書問題」が起きました。
日本の文部省の歴史教科書検定に対しアジアから抗議の声が上がりました。
日本のアジアへの関りを「侵略」ではなく「進出」とするようにというものでした。
抗議デモの写真を新聞でみたとき、私の戦争への認識はグラグラと揺れ始めました。
あの優しい目をした29歳の若者はアジアで何をしたのか、
させられたのかという疑問が沸き起こったのです。
このころ日本はバブル期にありました。
市民グループアジアの女たちの会は、戦時賠償で富を蓄えた日本企業の男たちが札束をもち、アジアの女たちを買う行為に対し大きな抗議の声をあげていました。
日本はアジアで何をしてきたのか、何をしているのか、知らなければならない。
知らなければ、ともにアジアに生きる市民同士として出会えない。
それが出発点でした。
羽田ゆみ子
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梨の木舎
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◆2025年7月18日発売『前立腺がん患者、最善の治療を求めて: 医師と挑んだ大学病院との闘い 全記録』
◆好評発売中『誰も踏みにじらない未来のためのフェミニズム』
永山則夫の再審請求
¥800
A5、並製、69頁 A 「永山さんが、あの時死刑執行されたのは再審請求しようとしたからだった」 「再審請求(が実現)していれば、今も存命だったかもしれない」 永山則夫は19歳の時、4人を殺め、逮捕された。拘置所で独学による反省を経て、手記や小説などの出版を通じ、罪を犯したものとしての責任を果たそうと努めたが、1997年死刑執行によってその思いを絶たれた。著者は投げかける。19歳の少年を断罪することで問題は解決といえるのか。
私の山歩き835峰
¥2,200
46判、並製 280頁 著者の父親は、病弱な息子を鍛えるために山歩きに連れて行った。 山歩きが趣味になった息子は、中学生から昨年2024年まで835峰を踏破。有名な山から無名の低山まで克明な記録をそれぞれの思い出を山行き記としてまとめた。
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ベトナム産 完熟胡椒
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ベトナム産の完熟胡椒を入荷いたしました。 ふぇみんベトナムプロジェクトの一環で、ベトナムの子どもたちとこれまで作り上げてきた支援事業と深く関わっています。 2023年の統計ではベトナムの胡椒は世界1位の生産量を誇るなど、急成長している産業と言えます。ぜひお試しください!
ベトナム産 黒胡椒
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ベトナム産の黒胡椒を入荷いたしました。 ふぇみんベトナムプロジェクトの一環で、ベトナムの子どもたちとこれまで作り上げてきた支援事業と深く関わっています。 2023年の統計ではベトナムの胡椒は世界1位の生産量を誇るなど、急成長している産業と言えます。ぜひお試しください!
ゲランドの塩
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セル・マリン(細粒塩)タイプのお塩になります。 フランスブルターニュ地方の伝統的な製法で作られた天日塩。太陽と風の力でゆっくりと結晶化され、短い夏の間に収穫されました。 このタイプのお塩は使いやすさが特徴で、煮込み料理や肉・魚料理、サラダなど、幅広い料理に最適です。 海水のミネラルから生まれる複雑な味わいは、料理に深みを加え、食卓を華やかに彩ります。
みんなでつくるコーヒー豆チョコレート
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オルタ―トレードジャパンより、美味しいチョコレートを新しく入荷いたします! コーヒー豆がチョコレートに包まれており、サクサクとした食感が癖になる一品です。 また、ミルクのまろやかさとコーヒーの豊かな風味が絶妙に融合しており、コーヒー好きの方ににおすすめです。コーヒーとチョコレートが織りなす新しい美味しさをご賞味ください! 国内製造、光沢剤不使用で品質にもこだわっています。
パプア クラフトチョコレート カカオ67%
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前立腺がん患者、最善の治療を求めて: 医師と挑んだ大学病院との闘い 全記録
¥2,420
『前立腺がん患者、最善の治療を求めて: 医師と挑んだ大学病院との闘い 全記録』 出河雅彦 著 発行:梨の木舎 四六型 256頁 定価 2,200円+税 ISBN 978-4-8166-2503-9 C0047 医療は誰のためにあるのか?を問う。 「患者の生命と人権」を守るために職を賭した医師と、生きるために治療継続を求めて立ち上がった患者団体の大学病院との闘い。 それを執拗に追ったジャーナリスト、渾身のドキュメント。 白い巨塔のなかで、患者の治療選択の権利が蔑ろにされていないか。 本書では、前立腺がんの放射線治療(患者の体内に線源を挿入する小線源治療)とはどんなものか、詳細に語られる。 滋賀医科大学医学部附属病院の岡本圭生医師は卓越した治療技術をもち、すぐれた治療成績を収め、全国から多くの患者を集めていた。 その岡本医師は、この治療の経験がない別な医師に同じ治療をさせようとした泌尿器科学講座教授の計画を阻止し、大学を追われる。 【目次】 一章:生命と人権を守るために 二章:卓越した技術と医師の倫理 三章:立ち上がった患者たち 四章:治療妨害禁止命令を求めて 五章:認定された不正行為 六章:裁判に利用された医療安全 七章:賢い患者になるにはー患者会代表幹事に聞く ◆取材ノート 【プロフィール】 出河雅彦 (イデガワマサヒコ) ジャーナリスト。元朝日新聞編集委員。 1960年、長野生まれ。上智大学文学部新聞学科卒。 著書 『ルポ 医療事故』(朝日新聞出版2009 科学ジャーナリスト賞2009) 『混合診療』(医薬経済社2013) 『ルポ 医療犯罪』(朝日新聞出版2014) ルポライター鎌田慧氏の聞き書き『声なき人々の戦後史』(藤原書店2017第16回パピルス賞受賞)他
誰も踏みにじらない未来のためのフェミニズム ともに語り、ケア・共存・共生を考える韓国フェミニスト13人からの投げかけ
¥2,200
『誰も踏みにじらない未来のためのフェミニズム ともに語り、ケア・共存・共生を考える韓国フェミニスト13人からの投げかけ』 キム・ウンシル編著 クォンキム・ヒョンヨン、キム・ヨンオク、ソン・ヒジョン、キム・ヒョンミ、シン・ギョンア、チョン・ヒギョン、チェ・ヒョンスク、チャンイ・ジョンス、キム・チュヒ、ミン・ガヨン、イ・ヒョンジェ、チョン・ヒジン著 梁・永山聡子解説 秋元美穂・佐藤香陽子訳 発行:梨の木舎 A5判変型 192頁 定価 2,000円+税 ISBN 978-4-8166-2502-2 C0036 コロナ禍があぶり出したのは、もともとそこにあった不公正だった。 ケア労働、職業格差、デジタル性犯罪、性的マイノリティ差別――。 韓国のフェミニスト13人が、長年見過ごされてきた「誰かを搾取することで成り立つ社会」の歪みに切り込み、ケア・共存・共生を軸とした、「誰も踏みにじらない未来」を提言する。 【目次】 日本語版出版に寄せて 韓国語版序文 パンデミックと新自由主義を乗り越えるフェミニズムを模索しながら 本編を読む前に知っておきたいできごと PART1 誰が「女性」なのか? 01 私は女じゃないんですか? 「女性とは誰か」をめぐるフェミニズム論争_キム・ウンシル 02 女性は潜在的な被害者なのか? 「無害な存在」というイデオロギーを超えて_クォンキム・ヒョンヨン 03 対抗的公共性 マジョリティに対抗する開かれた場としての女子大を目指して_キム・ヨンオク 04 フェミニズムとトランスジェンダーが手を取り合う未来 つながり拡がるフェミニズム運動を夢みて_ソン・ヒジョン PART2 フェミニズムが構想するポストコロナ社会とは? 05 コロナの不平等 資本と男性中心の解決策に抵抗する_キム・ヒョンミ 06 パンデミックと女性労働者 最前線で闘う人々のために_シン・ギョンア 07 感染症と弱者のフェミニズム 不安と向き合うためのより良い方法を考える_チョン・ヒギョン 08 防疫監視社会のキスとセックス 「正常」を強制する社会で性的マイノリティの自由を擁護する_チェ・ヒョンスク 09 フェミニスト・グリーン・ニューディール コロナ禍と断絶を乗り越えるための方法_チャンイ・ジョンス PART3 新自由主義的フェミニズムを超えて 10 n番部屋は新種の犯罪なの? 顔のジェンダー政治_キム・チュヒ 11 安全の商品化とフェミニズム 被害と安全に対するフェミニズムからの問い_ミン・ガヨン 12 「悪いフェミニスト」の政治学 「パイ」の分配を超えて、より多くの連帯へ_イ・ヒョンジェ 13 フェミニズムの大衆化を再考する 女性の個人化のジレンマ_チョン・ヒジン 解説「脱植民地化とインターセクショナル・フェミニズム」梁・永山聡子 訳者あとがき 本編に登場する主な人物紹介 現代の韓国フェミニズム年表 主なできごと 【プロフィール】 キム・ウンシル:梨花女子大学女性学科名誉教授。1995年から梨花女子大学女性学科に在職し、アジア女性学会長などを歴任。
さあ行こう!一家をあげて南米へ 日本人移民の物語
¥2,420
『 さあ行こう!一家をあげて南米へ 日本人移民の物語』 佐藤葉 著 発行:梨の木舎 A5 232頁 定価 2,200円+税 ISBN 978-4-8166-2501-5 C0021 海外に住む日系人はいま世界に400万人いる。 ボリビアには「オキナワ村」がある。 生まれた国と、自分のルーツがある国、2つの文化がその人をかたち作ってきた。 60歳で日本語教師になった著者は、2つのアイデンティティを持つ人たちを南北アメリカに訪ねた。 ――アメリカ・ブラジル・ボリビア・アルゼンチン・パラグアイ、そこで出会った人たちの物語である。 目次 1章 太平洋戦争のはざまを生き抜く――アメリカで 2章 日伯修好通商航海条約100周年記念訪問――ブラジルで 3章 農地はアメリカ軍基地になった――ボリビアで 4章 二世牧師の活動――アルゼンチンで 5章 世界の中の「日系人という存在」になる――パラグアイで 6章 南米3カ国の日本語事情――ボリビア、パラグアイ、アルゼンチン 著者プロフィール 佐藤葉(さとう よう) 1日本語教師、作文・エッセイ講師、ノンフィクションライター。 1972年東京女子大学卒業。会社員、雑誌社で編集・記者を経てフリーランスライターとなり、雑誌を中心に取材記事を執筆。60歳を過ぎて日本語教師養成学校で『日本語教師養成講座420時間』を修了。東京、パラグアイ、ボリビア、長野県で日本語を教える。 著書・共著:『現役です70歳』ユック舎、『はじめてのPTA』WAVE出版、『橘式人間教育』晩聲社など。
JR冥界ドキュメント 国鉄解体の現場・田町電車区運転士の一日
¥1,980
『JR冥界ドキュメント 国鉄解体の現場・田町電車区運転士の一日』 村山良三 著 発行:梨の木舎 四六型 164頁 定価 1,800円+税 ISBN 978-4-8166-2404-9 C0036 国鉄の分割・民営化は、中曽根康弘元首相による戦後民主主義に対するクーデターだった。 憲法を破壊し、その後の「失われた30年」を呼び込んだ。 中曽根による「国家的不当労働行為」は、150余人の労働者の命を奪った。 現場にいた国鉄元運転士(国労組合員)による渾身のドキュメントである。 目次 1章 招福神像の立つ駅で 出勤二日目の朝/員数外社員/出勤初日/点呼/「は、ず、さ、な、い、よ」/踏み絵/再び二日目の朝/カールビンソン/歩きだした「遺失物」のコート/JR冥界⁈ 2章 三六〇円で来た男 「交番へ行こう」/男の背後にあるもの/処分/組合間の確執/さらなる確執/「入浴事件」の顛末/嫌がらせ/自殺者/人活センター/魂のこと <寄稿:本書刊行に寄せて> 民主主義を破壊した中曽根改革/鎌田慧あとがき/関連略年表 帯 表 今の社会は抜け殻にならないと生きていけないのか。 見えてきたのは労働者同士仲間意識の崩壊だった。 失われた30年は社会の活力と経済成長を奪い、民主主義を「盆栽民主主義」に変容させた。 ―― 国鉄元運転士による執念のドキュメント ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「1987年の国鉄分割・民営化は、国有財産を民間に横流しするクーデターであり、 「中曽根革」の悪業だった!」 鎌田慧(本書刊行に寄せて) 著者プロフィール 村山良三(むらやま りょうぞう) 1939年 山形県生まれ 1964年 国鉄東京機関区の電気機関助士、国鉄労働組合(国労)に加入 1967年 田町電車区の電車運転士、東海道線・横須賀線・伊東線などで勤務 1987年 JRへの移行にともない新橋要員センターへ強制配転 1988年 新宿要員センターへ異動 1996年 JR東日本を退職 新日本文学会会員/井上光晴「文学伝習所」二期生/組合サークル誌「作家集 団」に所属 著作:『JRジプシー日記 国労の仲間達とともに』新日本文学会(1992年)
表現の不自由展からの挑戦 消されたアートと対話する12のヒント
¥2,090
『表現の不自由展からの挑戦 消されたアートと対話する12のヒント』 岡本有佳 岩崎貞明 李春熙 編 発行:梨の木舎 A5変型 192頁 定価 1,900円+税 ISBN 978-4-8166-2403-2 C0071 鵜飼哲さん(フランス現代思想、一橋大学名誉教授)推薦! 迫害された作品が、ピカソの『ゲルニカ』のように、人類の記念碑となる明日のために。 2019年のあいちトリエンナーレで展示中止にされた〈表現の不自由展〉。 その後、妨害攻撃にもかかわらず、2022年には東京展の開催を実現させました。 その経験・教訓や残された課題について市民の皆さんと共有したいと思います。 表現の不自由展を知る12のQ&A ❶「 表現の不自由展」って何? ❷あいトリの展示中止は本当に必要だったの? ❸そもそも実際に展示する必要があるの? ❹《平和の少女像》って何が問題なの? ❺かんさい展はなぜ開催できたの? ❻2022年東京展はなぜ開催できたの? ❼表現の自由ってなに? ❽激しい妨害攻撃も、表現の自由なの? ❾不自由展と妨害攻撃、どっちもどっち? ❿公共施設はどんな表現も断れないの? ⓫公共施設では「政治的中立」が必要なの? ⓬展覧会への妨害が予想されたら? ◆右崎正博さんに聞く憲法学者がみた表現の不自由展 メッセージ ◆ミキ・デザキ(映画監督) ◆クォン・ユンドク(絵本作家) ◆スペイン「 禁止されたアートの美術館」 目次 ●第1部 表現の不自由展を知る12のQ&A:表現の不自由展ってなに? /あいトリの展示中止は本当に必要だったの?/そもそも展示する必要があるの? /不自由展と妨害攻撃、どっちもどっち?/公共施設では「政治的中立」が必要なの? /展覧会への妨害が予想されたら?ほか ●第2部 ようやくできた!ようやく観れた!表現の不自由展 東京2022:記録 岡本有佳/李春熙/白川昌生/前山忠/いちむらみさこ/京極紀子/村上らっぱ ほか <カラー口絵あり>メッセージ★ミキ・デザキ(映画監督) ●3部 憲法学者がみた表現の不自由展 右崎正博さんに聞く ●コラム:表現の不自由展に寄せて 川浪千鶴(インディペンデント・キュレ ーター)/小勝禮子(美術批評)/金富子(植民地朝鮮ジェンダー史研究) ★クォン・ユンドク(絵本作家)★スペイン 禁止されたアートの美術館 付録:表現の不自由展検閲年表
7人の戦争アーカイブ あなたが明日を生き抜くために
¥2,420
教科書に書かれなかった戦争 わたしたちの《歴史総合》PART75 『7人の戦争アーカイブ あなたが明日を生き抜くために』 内海愛子 編 鶴見和子/「水俣とアニミズム」 北沢洋子/反アパルトヘイト 鄭敬謨/在日評論家 高崎隆治/『戦争文学通信』 岡本愛彦/演出家「わたしは貝になりたい」 湯浅謙/軍医『消せない記憶』 亀井文夫/映画監督『戦ふ兵隊』 発行:梨の木舎 A5 254頁 定価 2,200円+税 ISBN 978-4-8166-2401-8 C0021 この危うい時代を私たちはどう生きるのか? 「聖戦」とは、「東洋平和」とは何だったのか? 実態は「強制連行」であり、「従軍慰安婦」であり、「731部隊」ではなかったか。 戦争の時代を生きた7人から、あなたにつなぐ《歴史総合》。 目次 鶴見和子:「小さな民」の視点から 北沢洋子:カイロで目からウロコが落ちた 鄭敬謨:板門店で“アメリカ”が見えた 高崎隆治:戦争と性――語られなかった強かん 岡本愛彦:軍隊とはこんなところだった 湯浅謙:「生体解剖」は日常業務だった 亀井文夫:占領軍に没収された『日本の悲劇』 著者 内海愛子(ウツミ アイコ) 早稲田大学大学院文学研究科社会学専攻・歴史社会学・日本ーアジア関係史 早稲田大学平和学研究所招聘研究員・恵泉女学園大学名誉教授 主要著作: 『朝鮮人BC級戦犯の記録』勁草書房、1982年・岩波現代文庫、2015年 『死刑台から見えた二つの祖国』(共編著)梨の木舎、1992年 『日本軍の捕虜政策』青木書店、2005年 『村井宇野子の朝鮮・清国紀行』(編)梨の木舎、2021年
大衆映画の戦後社会史ーあの時代の風景と人びとの気分を観直す
¥2,750
『大衆映画の戦後社会史ーあの時代の風景と人びとの気分を観直す』 天野惠一 著 発行:梨の木舎 A5 272頁 定価 2,500円+税 ISBN 978-4-8166-2402-5 C0074 邦画は単に「娯楽の王様」だったわけではない。 「特攻」から戦争を、「ゴジラ」から戦後の高度成長を、「若者たち」から戦後民主主義を描いてきた。 映画の世界から戦後日本の社会史を考える論考エッセイ集。 目次 Ⅰ 邦画は単に「娯楽の王様」だったわけではなかった ◆戦後の太陽・石原裕次郎/◆原爆と戦後、「実在」と「虚妄」をめぐって/◆電力と「破砕帯」(断層)、そして死者について戦後史の中で考える/◆〈偽大学生〉に出会うまで/◆〈明朗な不良性〉をめぐって/◆任侠の美学から野良犬の〈醜学〉へ――文太映画の時代――/◆敗戦70年ー「特攻」後70年〈大西瀧治朗〉という問題/◆『あゝ決戦航空隊』(監督・山下耕作 1974年、東映)/◆象徴天皇制国家70年――〈天蓋つき戦後民主主義〉という問題/◆敗戦最大の政治神話――「聖断」神話をめぐって/◆ヒバク七〇年――〈被爆都市長崎〉の「暴力団」(ヤクザ)映画/◆60年安保闘争と2015年の闘争――「若者たち」の運動をめぐって/◆国家的「公」と「私」的利害優先原理の民主主義/◆戦争は〈人間の顔〉をしていない/◆〈象徴天皇制〉と「グラマ島」デモクラシー/◆惨事便乗型国家〈軍事主義〉の正体――「ゴジラ」と「シン・ゴジラ」他 著者 天野惠一(アマノ ヤスカズ) 1948年生まれ。著書:『危機のイデオローグ 清水幾太郎批判』批評社、1979年/『皇室情報の読み方 天皇制イデオロギー論』社会評論社、1986年/『情報社会の天皇制 続天皇制イデオロギー論』社会評論社、1988年/『全共闘経験の現在』インパクト出版会、1989年、増補新版1997年/『マスコミじかけの天皇制』インパクト出版会、1990年/『メディアとしての天皇制』インパクト出版会、1992年/『「恋愛結婚」じかけの天皇制』インパクト出版会、1993年/『「無党派」(ノンセクト)という党派性 生きなおされた全共闘経験』インパクト出版会、1994年/『反戦運動の思想 新ガイドライン安保を歴史的に問う』論創社、1998年/『[無党派運動]の思想[共産主義と暴力]再考』インパクト出版会、1999年/『沖縄経験〈民衆の安全保障〉へ』社会評論社、2000年/『「日の丸・君が代」じかけの天皇制』インパクト出版会、2001年/『災後論 核(原爆・原発)責任論へ』インパクト出版会、2014年
ガイサンシーとその姉妹たち 普及版
¥2,420
ガイサンシーとその姉妹たち 普及版 班忠義 著 発行:梨の木舎 四六判 定価 2,200円+税 ISBN 978-4-8166-1104 9 「ガイサンシーって、何のこと?」私はたずねた。 「ガイサンシーさえ知らないの?日本軍のことを調べるなら、まずガイサンシーのことを知るべきだ。でなければ、日中間の歴史を調査する資格はない。 彼女は日本軍に最初に連れて行かれた一人で、一番ひどい仕打ちを受けた人なのだから」—1995年初秋、こうして中国山西省における、中国人女性に対する、日本軍の性暴力の真相に迫る私の長い旅が始まった。
君たちに伝えたい④ ぼくが生まれた新宿、柏木団の人々と関東大震災。
¥2,970
『君たちに伝えたい④ ぼくが生まれた新宿、柏木団の人々と関東大震災。』 中條克俊 著 発行:梨の木舎 A5 269頁 定価 2,700円+税 ISBN 978-4-8166-2306-6 C0011 新宿・柏木、そこに住居をもたない人たちも、暇さえあれば……クラブのようにして集まっていた。社会主義者の巣クツとなり、警察では『柏木団』などと呼んでいた。 著者(ぼく)は柏木に生まれた。時間を遡れば、野枝や須賀子や大杉や幸徳とすれ違っていたかもしれない。理想の実現をめざした初期社会主義の人々は、「不逞団体」とされた朝鮮人と共に、関東大震災の混乱の只中にまっ殺される。 目次 1章 新宿・柏木を歩く 2章 平民社と「柏木団」 3章 関東大震災直後に何が起きたか 4章 ぼくの授業実践 著者 中條 克俊(チュウジョウ カツトシ) 1956年東京都新宿区柏木(現北新宿)生まれ。 新宿区立淀橋第七小学校、淀橋中学校(いずれも廃校)、都立新宿高校に 学び、埼玉大学卒業後1981年より埼玉県公立中学校教員(朝霞市、社会科)となり、戦争と平和を研究テーマに、地域の掘り起こしに専念した。2017年3月に定年退職後、駿河台大学、国士舘大学、立教大学の非常勤講師を経て、2021年より中央大学文学部特任教授(教職課程担当)。歴史教育者協議会会員(副委員長)。 主な著書に『中学生たちの風船爆弾』(1995年、さきたま出版会)、『君たちに伝えたい、朝霞そこは基地の街だった。』(2006年、梨の木舎)、『君たちに伝えたい② 朝霞、キャンプ・ドレイク物語。』(2013年、梨の木舎)、『君たちに伝えたい③朝霞、校内暴力の嵐から生まれたボクらの平和学習。』(2017年、梨の木舎)がある。
無限発話 買われた私たちが語る性売買の現場
¥1,980
『無限発話 買われた私たちが語る性売買の現場』 性売買経験当事者ネットワーク・ムンチ著 萩原恵美 訳 金富子 監修 小野沢あかね 解説 発行:梨の木舎 A5 196頁 定価 1,800円+税 ISBN 978-4-8166-2304-2 C0036 性売買の現場にいる女性たちの今も変わらない状況。 「セックスワーク論」を主張する人の話ばかり取り上げられるのは本当にひどい。 韓国の性売買経験当事者ネットワーク〈ムンチ〉の本音炸裂!業者、売春男のクソな実態をさらす! 桐野夏生さん(作家)推薦! 聞け!彼女たちの無限に尽きぬ言葉を。 性売買の現場は、女たちへの暴力と搾取に満ちたむごい現場だというのに、買う男の話は、そして自己責任だと笑う人々の話は、なぜ誰もしないのか? 目次 1章 性売買のさまざまな現場から:ソープランド/集結地/島のタバン/座布団屋/キャッチの店/条件デート/手引き屋ほか 2章 性売買女性を生きるということ/「当たり」の店主を探して/グッとこらえて借金を減らさなきゃ/ヘンタイいろいろ、同じ穴のムジナほか 3章 性売買の現場でみた売春男性たち:男ばかり悪者にされても困る/売春男は全国に5人?ほか。各章座談会あり。 著者 性売買経験当事者ネットワーク・ムンチ 韓国で2006年、性売買を経験した女性たちが反性搾取の立場で自主的に結成。 韓国各地に自助グループがある。 ムンチという名称は「一致団結する(ムンチダ)」から採った。
性暴力を受けたわたしは、今日もその後を生きています。
¥2,200
『性暴力を受けたわたしは、今日もその後を生きています。』 池田 鮎美 著 カバー写真:南 阿沙美(写真家) 発行:梨の木舎 四六 244頁 定価 2,000円+税 ISBN 978-4-8166-2305-9 C0036 性暴力被害者自身による9000日の記録。 幼馴染の死の真相は性暴力によるものだった。 立ちすくむ16歳のわたしはまだ、自分自身も性暴力に遭うことになるとは、思いもしなかった。 目次 1「なぜこんなに苦しいのだろう」—―未成年への性暴力 2「体が動かない。これは夢かな」—―知らない人からの性暴力 3「刑法を改正したい」—―暴行・脅迫要件の衝撃 4「ここには被害者がいない」—―スーパーフリー裁判を傍聴する 5「無理をする癖がついてしまっている」—―DVのなかでの性暴力 6「被疑者は取引をしたと言っています」—―仕事中の性暴力 7「たぶん普段なら逃げるんだろうな」—―トラウマとの闘い 8「ますはあなたが元気にならなければ」—―障がい者手帳を取得する 9「一般人の感覚で説明できない罪は罪にならない」—―法律の言葉への違和感 10「You have very bad law」—―ロビイングと分断の痛み 11「性被害ってこんなにたくさんあるのか」—―言葉で社会を変えていく 12「強くなれなくても」—―法制審議会への手紙 13「それを奇跡と呼ぶ前に」新しいスタートライン 著者 池田 鮎美(いけだ あゆみ) 1981年生。早稲田大学卒業後、雑誌・書籍のライターとして活動していたが、取材中に性暴力被害に遭い、文字を書けなくなる。書くことを取り戻してからは、性暴力について心のままに書いている。 共著『マスコミ・セクハラ白書』(文芸春秋)。
HSP 強み de ワーキング~洞察系 共感系 感覚系
¥1,870
『HSP 強み de ワーキング~洞察系 共感系 感覚系』 皆川 公美子 著 発行:梨の木舎 A5 177頁 定価 1,700円+税 ISBN 978-4-8166-2302-89 C0011 ーーーーー 「自分らしく疲れ過ぎずシアワセに働きたい」 それは強味と自律神経の癒しによって誰にでも可能なことなのです。 「これまで悩んできた自分の身心の反応が愛おしくなる、そんな温かさにあふれる一冊です!」(浅井咲子 ポリヴェーカル理論実践第一人者公認心理師) 「多様なHSPの、多様な働き方。自分のモデルになる人がきっとみつかる。」 (武田友紀 「繊細さんの本」著者 公認心理師) 「誰でもが自分らしく働ける社会、そんな社会の実現の第一歩を感じさせられる本です。」 (田中潤 キャリアカウンセリング協会トレーナー 日本やリアデザイン学会副会長) 「HSPというレンズを通して、誰もが自分の内なる偉大なパワーを見出す。希望の書だ!」 (辻信一 文化人類学者) HSPとは、ハイリー・センシティブ・パーソンの略で、1996年にアメリカのエレイン・アーロン博士が提唱した概念です。読んで字のごとく「高度に敏感性のある人」という意味です。 光に対する眩しさ、音や匂い、肌触り、味覚・触覚に対する感覚の敏感さ、人の言うことを気にしすぎている、いろんなことを心配しすぎるなどが一般的な特徴として有名になりました。 2020年にロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが「僕はHSPです」と公言されてから、さらに有名になりました。 私は2017年ころから敏感な子どもたちの相談を、働く母親たちから受けるようになったのがきっかけでHSPの仕事に本格的に関わらせていただくようになりました。 子どもたちが訴える「音がうるさすぎて学校にいけない」「ハイネックの洋服が着られない」や大人の方が訴える「なんか疲れすぎてしまう」「仕事が続かない」等、誰にもわかってもらえない多くの不可解や謎は「神経系が敏感」という概念に出会ってスルスルと謎解きが起こりました。(本文より抜粋) 目次 1章 HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは 2章 HSPと非HSPとの違い 3章 HSP共通の強みとは~スムーズに成果を出すために 4章 洞察系・共感系・感覚系HSP~私キャラうぃ活かして働く 5章 HSPの強みを活かす生き方の妨げとなるもの 6章 小さな得意を積み重ねた先の、私を「活かす」働き方 おわりに~HSPだからこそ、幸せに働ける 著者プロフィール 皆川 公美子 (ミナガワ クミコ) (著/文) 5848名(2022.12月現在)のHSPの相談にのってきた国家資格キャリアコンサルタント・Gallup 認定ストレングスコーチ・(株)サステナミー代表・キャリア・デザイン学会正会員。 TRE(トラウマ&テンション・リリース・エクササイズ)国際認定プロバイダー。自身もHSP。HSPが生きづらさを解消してイキイキと働くためのセミナーや長期プログラムを2018年より開催。 HSP概念は強味の人生に転じるツールと位置付け、企業やビジネススクール、日本全国の教育委員会の研修等に招聘され登壇。「働くHSPの強みと特性」「HSCが伸びる環境の作り方」など心理的安全性とHSPをテーマにした講演に大きな反響がある。
ポリーヌに魅せられて
¥2,420
『ポリーヌに魅せられて ジョルジュ・サンド ツルゲーネフ ショパン サン=サーンス リストたちが讃えた才能』 小林緑 著 発行:梨の木舎 A5 248頁 定価 2,200円+税 ISBN 978-4-8166-2301-1 C0073 同時代の名だたる文化人を魅了した19世紀最大の音楽家・フェミニストにいま光をあてる!著者はジェンダー平等の視点から音楽史の書き換えを問い続けている。 ポリーヌ・ガルシア=ヴィアルド(1821~1910) 16歳で歌手デビュー、オペラ女優と讃えられヨーロッパを周遊。作曲家、肖像画家としても傑出、台本を書き、次世代を育てた師でもあった。 目次 1章 生誕200年記念コンサートのプログラムから 2章 生涯のあらまし 3章 声とジェンダー―コントラルトの声とは? 4章 歌唱教師、歌唱教材編者としてのポリーヌ 5章 鍵盤楽器奏者・作曲家としてのポリーヌ 6章 社会参画とポリーヌ:カンタータ《新しい共和国》をめぐって 7章 パントマイム《日本にて Au Japon》をめぐって 著者 小林 緑(こばやし みどり) 1942年、福島県生まれ。東京芸術大学・同大学院の楽理科(音楽学)修了。1971-72年。 フランス政府給費留学生としてパリ第4大学留学。現在国立音楽大学名誉教授。 編著に『女性作曲家列伝』(1999、平凡社)『視覚表象と音楽』(ジェンダー史叢書代巻、2010、明石書店、池田忍と共編)、共著に「表現する女たち」(2009、第三書館、三木草子+レベッカ・ジェニスン編)など。 2007年8月、「女性作曲家音楽祭2007」と題して地元杉並公会堂(小)にて全12回のコンサート・シリーズを、翌2008年から15年までは「津田ホールで聴く女性作曲家」全5回コンサートなどを実施。2016年は計5回、ウィメンズ・プラザや自治体からの依頼により女性作曲家のレクチャー・コンサートを企画。
銀河鉄道の夢
¥1,870
『銀河鉄道の夢』 飯島勝彦 著 発行:梨の木舎 四六判 上製 284頁 定価 1,700円+税 ISBN 978-4-8166-2207-6 C0093 陽炎のように儚い村里。それでも鳴き続ける蟋蟀でいたい。 銀河鉄道(小海線)に妻を偲ぶ著者終の小説集。 つれあいを亡くして三年目(二〇二一年)の夏、ようやく平常な盆が迎えられると思った矢先に、突然の急性肺炎で入院することになった。二十五日間の病院ぐらしのあと自宅に酸素濃縮器を設置。「パルスオキシメーター」(動脈血中のヘモグロビンの何%が酸素と結合しているかを示す『酸素飽和度』を測定する)に管理される生活になった。 (中略) 「あしたは最上階の五階へ移ります。リハビリ頑張って下さいね」消灯に来た看護師が告げていった。それをいま思い出す。 そうか、明日の夜はもっと、銀河鉄道が近くなるのだ。あしたこそはそこに停車し、乗車ができるのではないか。たぶん邦子も乗っていて、車窓に映る辿りきた道程の夢現を、共に見ることができるのではないか。八〇キロに未たぬ路線に三一もの駅をもつ銀河鉄道は、きつい勾配をゆっくり登坂しながらも、走馬燈のような目まぐるしい展開をみせるだろう。 それを見届けなければならない。そして、妻に会えるのならば、言いそびれてしまった一言を伝えなければならない―――「次の世も一緒に」。 「銀河鉄道の夢」が決まった。 (序より抜粋) 目次 序 少年......青春・姉・農協・結婚/奔馬 ......町議員兼務 (八年) 寒梅記......農協不正貸付(九億円)事件 父の螢 ......父母の終・挫折・産廃 モノローグ......息子の自死/モノローグ......孫の不登校 のんの口伝......叔母の戦争/陽炎の里......壊れる農村・壊す者 銀河鉄道......災害・戦乱・隣離れ・夢 著者 飯島勝彦(いいじま・かつひこ) 1939年長野県佐久市(旧望月町布施)生まれ。 県立野沢北高校卒業。 布施村農協、望月町農協、佐久しらかば農協に35年間勤務。 この間「館報もちづき」編集長、望月町連合青年団長、望月町議会議員を歴任。 退職後、農業を営む傍ら小説を執筆。 1998年「鬼ヶ島の姥たち」で家の光協会 第45回地上文学賞。 2004年「銀杏の墓」で第47回日本農民文学賞。 2006年小説集「埋火」で第23回山室静・佐久文化賞。 長野県佐久市在住。 日本ペンクラブ会員。 日本農民文学会長野支部長。 NPO法人多津衛民芸館顧問。 著書 『鬼ヶ島の姥たち』 (郷土出版社) 『埋火』 (郷土出版社) 『恍惚の里』 (郷土出版社) 『冬の風鈴』 (郷土出版社) 『夢三夜』 (梨の木舎)
敵対から協力へーベトナム戦争と枯れ葉剤被害ー
¥3,080
『敵対から協力へーベトナム戦争と枯れ葉剤被害ー』 教科書に書かれなかった戦争Part74 レ・ケ・ソン、チャールズ・R・ベイリー 著 北村元、野崎明、生田目学文、石野莞司、桑原真弓 訳 発行:梨の木舎 A5判 284頁 定価 2,800円+税 ISBN 978-4-8166-2205-2 C0030 戦争は最大の環境破壊だ! 戦争終結47年後の今もエージェントオレンジ/ダイオキシンは人と自然を破壊し続けている。 絶望的な脅威に向き合ったかつての敵2人の研究者が、世界へ発信する。 ウクライナ戦争のいまだからこそ私たちが知っておくべきこと。 1961年8月10日 枯葉作戦始まる1975年ベトナム戦争終了したが、 ベトナムにはエージェントオレンジにより傷ついた人々と大地が残された。 2007年2月(戦争終了後32年目)ベトナム人とアメリカ人による市民委員会「エージェントオレン/ダイオキシンに関するアメリカ・ベトナム対話グループが結成され、解決への大きな一歩を踏み出した。 本書はダイオキシン汚染の実態、被害者の現実、染色体損傷、森林破壊の影響、アメリカとアメリカ人のかかわり、被害者に必要な支援など。 目次 本書を故ヴォー・クイ教授に捧ぐ 日本の読者への手紙 レ・ケ・ソン 日本語版の読者のみなさまへ チャールズ・R・ベイリー 著者紹介 序文:戦争の痛手 エッセイ:私たちはいかにしてここにたどり着いたか、そして次の目標は何か 1章 :南ベトナムでは今もなおダイオキシン汚染が存在しているのか 2章 :エージェントオレンジ/ダイオキシンに誰が曝露したのか。また、ベトナム にはエージェントオレンジ被害者はどのくらいいるのか 3章 :ダイオキシンへの曝露は先天性欠損症と生殖障がいをもたらすのか 4章 :森林の生態はエージェントオレンジの撒布による影響から回復したか 5章 :アメリカ人はエージェントオレンジについて何を知り、どのように支援するつもりなのか 6章 :ベトナムはエージェントオレンジ被害者のために何をしているか 7章 :アメリカはこれまで何をしてきたのか 8章 :エージェントオレンジ被害者には何が必要か 9章 :エージェントオレンジの問題はアメリカもしくは他の地域の裁判所で解決 できるのか 10章:エージェントオレンジをめぐる2国間関係は時間とともにどのように変化し、 今日の状況はどうなっているのか 終章:エージェントオレンジの未来 謝辞 附録 1:ダイオキシンとは ? 附録 2:エージェントオレンジ/ダイオキシンに関するベトナム政府の最近の科学研究(2011~2015年) 附録 3:フォード財団助成金受領者:ベトナム・エージェントオレンジ/ダイオキシン・プログラム(2000~2011年) 附録 4:エージェントオレンジの55年:重要な声明、決定および出来事の年表(1961~2016年) 訳者あとがき 著者 レ・ケ・ソン(Le Ke Son) 1954年ベトナム生まれ。陸軍医科大学卒業後、医学博士号(毒学)を取得。2004年から2014年まで、天然資源環境省33委員会事務局長として戦争遺産処理の一番大事な時に、ダイオキシン汚染対策や被害者救援対策などに奔走。環境保護の国家管理に努め、国と人民に奉仕した。主な著作:『ベトナムのホットエリアにおけるダイオキシン汚染』(ベトナム語)、など多数。 チャールズ・R・ベイリー(Charles R. Bailey) 1945年生まれ。プリンストン大学卒業後、コーネル大学で博士号取得(農業経済学)。その後フォード財団駐在員として、バングラデシュ、インド、ネパール、スリランカで活躍。特にベトナムではレ・ケ・ソン氏とタッグを組んで、ダイオキシン除染の実現とエージェントオレンジに起因する枯れ葉剤障がい者支援に奔走。専門分野は公共政策。主な論文:“Delivering Services to People with Disabilities Associated with Exposure to Dioxin in Vietnam,” June 2, 2014, The Aspen Institute など。
フィリピンと日本 戦争・ODA・政府・人々
¥2,200
『フィリピンと日本 戦争・ODA・政府・人々』 佐竹眞明 著 発行:梨の木舎 A5 168頁 定価 2,000円+税 ISBN 978-4-8166-2303-5 C0022 2022年5月、フィリピンではかつての独裁者の息子・マルコスJr.が大統領についた。 BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業や観光事業などによって、大きく変わりつつある。 フィリピンとの国交回復から66年が過ぎたいま、激動する多文化社会の中で私たちはフィリピンとどう向き合うのか? フィリピンの政府と人びとの歴史と現在を伝える。 目次 1 戦争 2 賠償協定と政府開発援助(ODA) 3 戦後日本との人流 4 ドゥテルテ、大統領選挙、マルコス政権と日本 5 変わるフィリピン経済と近況 著者プロフィール 佐竹眞明(さたけ まさあき) 1957年東京都に生まれる。 名古屋学院大学国際文化学科教授(フィリピン研究・開発・移民) 主な著者・論文 ・『フィリピンの地場産業ともう一つの発展論 鍛冶屋と魚醤』明石書店、1998年 ・『フィリピン―日本国際結婚――移住と多文化共生』(メアリーアンジュリン・ダアノイとの共著)、めこん、2006年ほか